ハンバーグ作り
ノルウェーには日本と同じようなハンバーグとショット・カーケ(普通のハンバーグを少し小さくしたくらいの大きさの料理、手にすっぽり入るくらいの大きさです)があります。
お義母さんのところで日本と同じようなハンバーグ、つまりじーじーと焼いたものが供されたことは一度もなかったと思います。ハンバーグはカルボナーレ・カーケ(どこかで聞いたことがあると思います。原義は同じだと思います)と呼ばれます。ショット(ノルウェー語だけの字が入りますのでカタカナにしときます)とは肉と言う意味です。
ノルウェーではハンバーグとショット・カーケは別物。
カーケとは英語ではケーキのことですが、すぐに思い浮かぶお菓子のケーキとは違います。cake of soap(石鹸の意味)という英語の言葉もありますものね。
cakeとは塊と言う意味で、もともとはノルウェー語です。結構、たくさんのノルウェー語の言葉が英語になっています。バイキングが南へ南へと進出していたから、ということですよね。
お義母さのところに滞在していた時のことです。
ハンバーグ、いや、ショット・カーケつくりを手伝いました。
お義母さんも気をつかっていろいろノルウェー料理を紹介しようとしてくれているみたいでした。ただし、基本的に、かれらは国の外の人たちがどれほど彼らとは違った料理を食べている、なんてそうとんじゃくがない様に思いましたが。
まず、肉をミンチにするところから始めて・・・本格的でした。
肉の塊を機械に入れ、時々たまねっぎも加えハンドルをぐるぐる回す。ちょっと目にはかき氷を作るのと同じ要領だと私は思ってしまいました。そんな機械が各家庭にある様でした。
脂肪がほとんど入っていないから、赤くてきれいなミンチ肉でした。それに塩、胡椒をして形を整え焼いたというわけなのです。
作り方はハンバーグとそう変わりません、最初だけは。私は普通のハンバーグのつもりで、じーじーと焼こうとおもったのですが・・・。その方法しか日本人なら知らないと思いませんか?
私がフライパン相手に頑張っているのを見てお義母さん曰く
「焦げ目がつくだけでいいんだよ」
私は一瞬、あれ、レアなハンバーグを食べることになる?と思ってしまいました。
「焦げ目がきれいについたらOK」と言われたのです。
「それをお湯の中に入れる」
お義母さんが続けました。
なるほど、お湯がぐらぐら煮え立っていました。
でも、え?おいしい所は全部お湯の中にでていってしまうじゃないの?
最終的に、少し焦げ目がついたショット・カーケは煮え立っているお湯の中に入れて煮込み、煮汁はブラウンソースになってテーブルの上に供されたってわけです。
もし、おいしそうに思えたら試してみてください。
ハンバーグの付け合わせは、日本と同じ要領で作られた玉ねぎの炒め物。かなりあめ色に炒めます。
それにノルウェー料理には必須、何がなくてもこれは…というもの、ジャガイモ、それから数種の野菜が一緒に供されます。
もう一つ、忘れてはならないのがジャムですよ!同じお皿にジャムも加えられます。
数十年前の事、わが娘、それに彼女のいとこ二人(彼らが皆小学生の時でした)を連れてノルウェーに出かけた時、お義母さんのところで朝からそんなハンバーグがテーブル上に並び彼らは大喜びしていました。
「ここは天国」だって。
やっぱり世代が違うと「朝はお味噌汁」という事ももうないのかもと思ったものです。
彼らはハンバーグを幼い頃から食べなれているんですものね。
私の知り合い(日本人)で隣町でご主人が倒れてしまって、そこで入院したので、彼女も付き添う事になってしまった人のお話です。食事は病院の近くのマクドナルドで…という事になり彼女は60代で初めてハンバーグ(そういう店の)を食べた、とか。すごくおいしかったので病みつきになった、と言っておりました。
ノルウェーではほかにもずいぶんとびっくり仰天の料理法を見ました。たとえばご飯を炊くこと…。それは、また今度にします。