Yorkshire puddingヨークシャープディング
日本語ではプリンという言葉で通っているプディングもヨーロッパでは様々で日本では想像もつかないようなものもあるようです。
ヨークシャープディング、どんなものだと思いますか?
ノルウェーのクリスマス料理、クリスマスのデザートであるライスプディングを味わうずっと前に、料理の本か何かでイギリスの伝統的クリスマス料理を扱ったクリスマスケーキ、クリスマスプディングとメインディッシュに添えられるヨークシャープディングを見かけたことがありました。
クリスマスプディングはお菓子なのだから、それも甘いのだろうとイメージしていたのですが、ヨークシャープディングにいたっては皆目想像の付かない料理でした。
そんなことがあってから、それを試すチャンスを待っていましたが、日本からツアーでイギリスに赴いた時、やっと試すことができました。
随分な年月が経ってからのことでした。
肉料理の隣に添えてありました。
料理本の色の通り、(この写真の色の通りです)黄色っぽくて、朝顔の形をしていました。
味はとてもじゃないけど、お世辞にもおいしいといえるようなものではありませんでした。
現地で試してみた私の日本の友人も異口同音の意見でした。
それまでに何度も訪ねたことのあるイギリスの友人宅でもそれが食事に供されたことは
ありませんでした。
そんなチャンスがあったにもかかわらずヨークシャープディングは私にとって長い間の謎だったわけです。
その同じイギリスの友人ではないのですが、ほかの友人にどれくらい頻繁にそれを作るか聞いたことがありました。
返事はいただけませんでした。
ずうと後で、その料理がどういうものか分かった時に、なぜ友人が返事をくれなかったか理解できたような気がしました。
食材が豊富、食べ物が豊かな日本に住む者にとっては想像もつかないような理由でした。
ヨークシャープディングの作り方は、肉を焼いた時に出た肉汁に小麦粉を混ぜ込み写真のような形に作って焼くといったものです。
こんな料理が生まれたというのも食糧事情が悪くお腹を満たす食べ物が十分なかったので、それを補うための料理ですって。
イギリスだけでなく、ヨーロッパというところは食糧事情がひどく悪かったところのようです。
それが、徐々に良くなって人口が増え、はじき出された人々は新しい住処を見つけなければならなかった・・・そして、それはコロンブスの新大陸発見につながっていくのです。
私たちは歴史の授業で華やかな(貴族の事、文学の事等)、あるいは勇ましい(革命、探検、十字軍などなど)ことばかり習ったような気がしますが、実際にはヨーロッパって暗くて貧しくて大変なところだったようです。
暗黒の中世があったのです。
イギリスが世界の覇権を持っていたといっても別に彼らが賢かったわけではなくほかの国より進んだ銃器を持っていたからだけ。これは今も変わっていないでしょうか?