若者は海外から日本を見るべし!
私がノルウェーに住みだしたころ、友人宅のパーティで現地に留学している日本人男性2人に会った事がありました。
彼らが言っていました。
「日本から外に出てやっとわかることがあった」と。
「日本の主婦は大変だよね。朝から晩までずっと働いている。しなければならないことが山のようにある」
「ノルウェーの主婦ときたら本当に楽だよ」
と続けました。
私も同感でした。
日本の主婦は朝、昼、晩と食事を作り、洗濯はたいてい決まった時間にし、夕方になるとそれを片付け、毎日布団の上げ下ろし、浴室の掃除を怠らず、子供の世話をして、なおかつ、専業主婦ではない人もいる。
ノルウェーの主婦は朝食、昼食は冷蔵庫にあるものをテーブルの上に並べるだけ。
沢山あるのならたくさんの食べ物がテーブルの上に並ぶだけ。
それは気分次第。
そして、テーブルに着いた各々が好きなものを手に取り、サンドイッチなりを自ら作り食べるだけ。
昼ご飯もしかり。
そしてディナーはその前の日の残り物があったとしたら、次の日にもテーブルに供する、と言った具合。
誰かのお腹に入るまでずっと同じものが供される、という事になるのです。
洗濯はいつでも好きな時に、都合のいい時に彼らはしている。
おおらかと言うか、日本人の感覚ではどうもついていけない。
前、一度書きましたが、大雨が降り出しても、急いで取り込むことはしないし、濡れてしまったら、そのまま干しっぱなしです。
浴室は日本のように毎日主婦がこまめに掃除する必要はない。
お風呂に入った人がその都度綺麗にしておけばいいのだから。
日本と違って湿気がないのでカビの心配もない。
これで主婦の仕事がもう一つ少なくなったというわけである。
食事がすめばテーブルの片付け、皿洗いなど、ノルウェーの旦那さんたちはよく手伝います。
家のお掃除も。
たいていベッドも各自がちゃんと整えているのでそれに関連した仕事も主婦はする必要がない。
彼らは日本人のように毎日お風呂に入らない。
これはヨーロッパの伝統。
真偽のほどは私にはわかりませんが、以前は1年に1度だけお風呂に入ったとか。
ジューンブライドとか花嫁さんを表す響きのいい言葉もあるけど、その花嫁さんが手荷物ブーケも本当はにおい消しのためだったとか。
義母のところに滞在中、同じく滞在中の義姉なども毎日の入浴が別に必要とも思っていなかったことが分かりました。
そのようにして幼い時から過ごしてきた人たちにとっては何ともないんだと思いました。
日曜日に教会に行く前、身なりを整えるためにお風呂に入っていました。それが彼らの常識だと思いました。
義母もそうでしたよ。
さて、日本のお風呂の週間のことで義母がショックを受けたことがありました。
何だと思います?
夫が「日本人は湯船にはったお湯を家族皆で使う」と言った時のことでした。
まずは、どんな反応があったと思いますか?
大きな声で一言帰ってきました。
「汚い!」と。Ash!と言われました。
これはノルウェー語ですが、英語にもash灰がありますよね。
意味は違いますが、まあ、そんなニュアンスです。
彼らの頭の中にあるお風呂の使い方で何人もその湯舟を使うとしたら、実にとんでもないことであろう、と思います。
一言だけ何かを聞き、実態を聞かないで己の考えるプロトタイプで物事を考えると、それは破天荒なことですよね。