potatoes じゃがいも

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ジャガイモを植えたことがありますか?

ノルウェーの義父がまだ存命の時のことでした。

お義父さんがジャガイモを植えるというので、随分な量のジャガイモが台所に置いてあった事がありました。

ジャガイモを植える、と言うたったそれだけなのに、それほど文化が違うという事を発見してしまったのです。

ノルウェーではジャガイモを植える、と言えばジャガイモを丸ごと1個1株としてゴロゴロ状態で植えるのです。

日本では、一つのジャガイモを芽が出る処を残して何株にも切り分けて植えるところを見たことがあったのです。

彼らにその話をすると、日本のやり方の方が経済的だ、誰もが言いました。

それにしても、ジャガイモを植える事って不思議なやり方ですよね。

ヨーロッパにジャガイモがもたらされたとき、この植物はそれまでの誰もが知っていた方法、まず種まきし、育てるという方法でなく、切った種を植える、と言う前代未聞の栽培法で、それが怪しまれ、誰もすぐに食べようとはしなかったという話まで残っているようです。

芽の毒に当たってしまった人もいたようです。

さて、日本にも芋姉ちゃん、とかの例えがあるけどノルウェーにも同様の表現があります。

冗談に誰それのことを芋だから、と言っては笑っています。

大きな鼻のことを芋鼻といったりするんだって。

私は人のことをあれこれ言ったりして何かの形容に使う事なんてもってのほかと思いますが、ある時、内心、「いも」と思ったことがありました。

今日はその「いも」のお話です。

ノルウェーのある友人一家には4人の息子娘がいます。

一番上は我が家の娘と同い年で誕生日も1か月しか違いません。

その長男の弟はお兄ちゃん誕生の後2年ほどして誕生しています。

日本の兄弟たちって、一目見れば兄弟と分かると思うのだけど、それは私が勝手に思い込んでいるだけでしょうか。

この兄弟、特に下の子を初めて見た時、「え?ジャガイモ?」と思ってしまった思い出があるのです。

ジャガイモに目鼻が付いている、と例えればよくわかる顔立ち、とても、かわいいお子さんですね、なんて言えるものではなかったのです。

欧米の子供たちって兄弟でもこんなに顔立ちが違っているんだ、それがその時の印象でした。

幼稚園時代も、十代も相変わらずでした。

確かに、徐々にジャガイモの顔立ちではなくなりましたが、お兄ちゃんの方がどう考えてもハンサムだったのを覚えています。

我が娘も連れて行った妹の子供たちも彼は非常にgood lookingだと言っておりました。

さて、月日は経っていきました。

その兄弟姉妹も三人まで結婚してしまいました。末娘が一人独身で、まだ大学で法律を学んでいます。

10年ほど前にノルウェーに行ったとき、彼ら全員に再会したのですが、もう「いも」の片りんはどこにもなくなっていました。

お兄ちゃんより随分と身長も高く1m90いくらあるとか言っていました。

ここまで変身するか、と言うくらいに見えていました。

ちょっとBijorn Borgに似た美男子になっていました。

ちょっと例えとしては違いますか。

Ugly Duckling(アンデルセンの『みにくいアヒルの子』)だったのでしょうか?