キャベツ料理 フォリコール

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ノルウェーの料理で絶対に忘れてはならないキャベツ料理のお話をしましょう。

ノルウェーに住んでいた時、友人一家がやってくるというので、私はちょうどたくさんあったキャベツを使って何かを、と思い料理の本を開けました。

冷蔵庫の中にある食材と照らし合わせ、トマト、ビーフなどなどが入っているシチューを作りました。

トルコ料理です。

美味にできたつもりでした。

人間て、なにかを一瞥すると一瞬で自分の知っているものと照らし合わせ、それが何物かを判断する。

そうみたいですね。

お客さんたちは一目見るなり、自分が知っている料理、味と思ったみたいでした。

しかし、一口食べてみると違っていた、ということだったんだろうと思います。

すぐに彼らの知っている料理、ノルウェー料理の話を始めました。

faarikaalフォリコール、私は知らない料理でした。

フォリとは羊肉、コールとはキャベツのこと、つまり羊肉とキャベツを煮込んだ料理ということでした。

「大きな鍋にかなりな量の羊肉とザクザク大きく切ったキャベツ半個位を層になる様に入れて煮込むんだよ」

「この二つの材料のほかには塩と胡椒だけ」

「水はたくさん入れないで」

「キャベツから水気が出るから」

時間をかけて作り方を教えてくれました。

これは念を押されたことですが「コトコト1日中だって煮ていればいい。煮込んでいる間、そのあたりでも散歩をしていればいいのだから」と。

弱火の電気の熱量で調理するからこそなんでしょうね。

日本で、ガスでそんなことをしたら火事になりかねない、と思ってしまいました。

一度、夫は豆のスープを同様にコトコト煮込んでいて、火にかけているのを忘れてしまってそのまま出かけ、オスロの中央駅辺りまで行って気がついたので家に帰ったとか。

危ない、危ない。

私がお産で入院していた時のことです。

もう一つキャベツの料理。

この料理を私はよく作ります。

沢山作って保管しておけば何かの付け合わせに便利、ということが大きな理由です。

スールコール

スールとはすっぱいという意味。

英語のsourです。

つまり、ドイツにもあるザワークラフトのことです。

この料理はノルウェーでも一般的です。

やっぱり、バイキングの料理には繊細さはないわ、と思ってしまいますが。

コロッケとか豚カツとかに千切りのキャベツは欠かせませんよね。

 

5.6年前でしたか、山口でボーイスカウト世界大会があった時のことです。

クラスの生徒さんたちと通訳のボランティアをし、世界各国のスカウトに会う事が出来ました。

いい経験をさせてもらいました。

夫はノルウェーのスカウトたちを下関の水族館に案内し、久しぶりにノルウェー語を話せて嬉しかったようだし。

さて、キャベツです・・・アイルランドからのスカウトとの交流があったのですが、毎日宿泊所で夕食にキャベツが出て来てへいこうしている、と言っていました。

やはり、彼らも野菜が欲しくない、なくてもいい人たちかと思ったものです。

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ところで、英語でキャベツを数えるにはa head of cabbageなどと「一頭」というような数え方をします。

この絵はキャベツには見えないでしょうか。

ダリが描いた『ビキニと3つのスフィンクス』です。

二度とこんな雲を人類が見る事はない、と信じたいです。