一日に一口も野菜が食べられなかったらどうします?

サラダの美味しい季節ですね。

皆さんは何サラダが一番お好きですか?

我が家で最もよく食べられるのはオリーブ、玉ねぎ、トマトにオリーブ油のドレッシングをかけたもの。

刺身用の魚もサラダにしてしまいます。

銘々皿に刺身としてよそうより簡単だから。

それをもう少し小さめに切るとスパゲッティに混ぜ込んだりします。

イタリアンです。

なにしろ、下関の魚は新鮮でおいしいですから!

人類が生野菜を口にするようになったのはいつごろからなんでしょう。

そんなことを考えたものの、野暮な問いですね。

人類がそれを食べるようになったのは、人類がこの地で生きるようになった時からに決まっているではないですか。

最初は火もそう簡単に手に入らなかったでしょうから。

今日、最高のサラダ菜と言われるレタスは、イラン高原が原産地のようです。

すでに紀元前6世紀にはペルシアで栽培されていたことが記録されています。

その後、ギリシアを経てローマからヨーロッパ全域に広まって行きました。

古代ギリシアでは前3世紀ごろ、また、ローマ時代の「農業所」ではすでにキャベツと共にレタスの生産が奨励されていたとか。

とりわけキャベツが腸の働きを助ける薬効が最もある野菜とされ、「香料ヘンルーダーと刻んだコリアンダー、すりつぶしたアギ(人参の一種)を一緒に合わせ、蜂蜜で味を付け塩をふりかけて食していたようです。

この薬を用いたら全ての関節は完璧だ」と言われていたのです。

事実、18世紀ごろまでのヨーロッパでは生野菜は他のハーブや薬草などともに「薬効」のための食べ物と言う先入観でみられていました。

ドレッシングというような手の込んだものはなく、生の葉にただ塩を振って味付けするだけ。

サラダの語源がラテン語の塩を意味するサールから転じたサラータ(塩漬けにする意)・・・これが全てを明白に物語っていると思いませんか。

ちなみに、古代ローマ時代、兵士が塩サールの代金として支給された俸給をサラリーと言いました。

中世になると、塩だけではいかにも芸がない、と考えた人がいたのでしょう。

生野菜にかけるものは塩にオリーブ油とレモン汁(すでに我が家と変わらなくなった!)などが使われるようになり、現在のサラダに近付いています。

野菜やハーブの豊富な地中海沿岸に比べると、北西ヨーロッパの野菜の種類は乏しく、12世紀の英国では新鮮野菜として通常入手できるものと言えば、エンドウ、インゲン、ニラ、サトウダイコンの4種類に過ぎなかったそうです。

16世紀前半のヘンリー8世の治世でもニンジン、レタス、キャベツ、大根と言った極めてありふれた野菜でさえ栽培されておらず、オランダから輸入されるというありさまだった。

してみると、ノルウェーなんかどんなに野菜が乏しかったか、想像がつくというものでしょう。

それにしても慣れと言うのは恐ろしいですね。

彼らは一日に一口も野菜がなくても平気な民族なんですから。

英語では、作り上げられた料理としてのサラダだけでなくサラダに使う野菜はサラダと呼びます。