軟膏の中のハエ

 

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ノルウエーでとった写真を見ていたら隣の幼稚園やら農場のことを懐かしく思い出しました。

農場からはよくハエが飛んできてました。

やはりそれはしょうがないですね。

ニュージーランドからお客さんがあった時も食事中にハエじゃ・・・というわけで、夫が追いかけては叩いていましたが。

fly in the ointment という面白い表現があります。

flyはハエでointmentは軟膏、塗り薬の意味です。

だから、fly in the ointment を直訳すると「塗り薬の中のハエ」という事になります。これは聖書の「伝道の書」第10章第1節にある「死んだハエは香料を作るものの油を臭くするが、少しの知恵と誉よりも重い」という意味に由来するそうです。

西洋の人たちの生活の中には、本当にキリスト教が生きていたという事がこんな表現を通しても分かるというものですよね。

ointmentは、この時代には皇族や貴族たちが髪の毛に塗る香料入りのオイルをさしていました。

せっかく貴重なオイルも、中にハエが1っ匹でも入ってしまうと台無しになってしまう。

そこから、fly in the ointmentと言う語は「楽しみ、改革、価値などを台無しにする人(または物)とか「欠点、玉にきず」という意味になりました。

ointment は現代では塗り薬の意味になっていますが、塗り薬にハエが入り込んでも、やっぱり台無しになってしまう。

ところで、この表現は映画「ダイ・ハード」にも登場しています。

I'm just a fly in the ointment, Hans.

「俺は計画をぶち壊す人間だわ、ハンス」

とね。