親指を下げることがなぜ不賛成の意味に?

この絵のようなポーズをしたことがありますか?

こんな絵を初めて見たのはいつのことだったでしょうか?

はっきり覚えているのは、イタリア、ローマに旅した時に夫が買ってくれたローマについての日本語版(ちゃんと日本語の本がイタリアの土産物屋さんにありました)にたくさん載っていたこと。

それを見て「ああ、そういう事なんだ」と思ったことを覚えています。

不賛成、拒否を意味する英語にもthumbs-down というのがあります。

thumbは親指です。

英語では親指と他の指とを区別して親指だけはfingerを用いず、 thumbを用います。

(ただし、場合によっては日本語と一緒でfingersで親指もあらわすことがあります)

つまり、thumb-downとは、直訳すると親指を下げるということになりますが、それがどうして不賛成の意味になる?

これは古代ローマ時代にさかのぼり闘技場の慣習に由来するのです。

観光名所にもなっているローマの有名な遺跡に巨大な円形闘技場コロシアム、古代ローマ時代にはそういった闘技場でよく剣闘士の試合が行われました。

映画『グラディエーター』などでご覧になった通りです。

試合で勝敗が決まると、勝者は観衆の方を振り向く。

そうすると、観衆たちは親指を揚げるか下げるかによって「殺すな」か「殺せ」の合図を送ったのです。

何ともcrazyな習慣だとは思います。

野蛮なこと!

観衆が親指を揚げれると敗者も拳闘したのだと認められたことになり、その命は救われたのです。

下げれば勝者は敗者を殺す事が出来た・・・。

ここから親指を下げるthumbs-downが不賛成や拒否を意味するようになったのです。

ところで、海外で見た剣闘士についてのTV番組で言っていました「剣闘士として戦う事は非常にハードなのでは20回競技場で戦うともうリタイアしていいのだと。あとは優に暮らしていけるお金ももらえる」と。

映画で見た彼らの姿とはずいぶん違う、と思いましたが。

thumbs-dowm と逆に親指を揚げるthumbs-upはアメリカ人が良く使うポーズ。

例えば、1992年当初のブッシュ大統領が夫人と来日しましたが、帰国時、夫妻は見送りの人々に向かって親指を突き出すthumb upのポーズを見せています。

これは、大丈夫、うまくいった、満足と言った意味でしたしぐさだったのでしょう。

さて、競技場で行われたこの野蛮な「催し」が一つだけ今も残っているのをご存じですか?

スペインとかに行かれた方は見られたかもしれません。

メキシコでも見られると聞きました。

私は無理。

そんなもの見たいとは思いません。

闘牛です。

スペインの闘牛場の隣には闘牛で死亡した牛を解体するところ、そして肉屋さんがあるそうです。