Ms. Miss. Mrs. Mr.

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Mr. Mrs. Miss.という敬称を習った時、皆さんは違和感を感じましたか?

なんで女性の敬称だけ既婚、未婚と違う言葉が存在するのか不届きだと思っていました。

それが、今では中学でもちゃんとMs.を習っています。

付け足しで習っているのではなく、ちゃんと教科書に載っています。

例えば、アメリカからやって来た英語の先生をMs. Bakerと呼んだり・・・。

fireman, cameramanなどが-manでは気にいらない、とfirefighter, photographer等に変わりました。

教科書にMs.が導入されたのはそれより後、そんなに前ではないと思います。

さて今日はこれらの敬称の発音のお話です。

Mrs. の発音はなぜミスターズではないのでしょうか。

Mr.がミスターとすれば Mrs.は三スターズと発音したくなりますよね。

Mrs.は既婚女性の名の前に付くことからわかるように女主人、主婦を意味する mistressの省略形です。

では、なぜミストレスと発音しないのでしょう?

mistressは中世フランス語  maistresseが14世紀に英語に入って定着した言葉です。

では、maistresseがどのように mistressになったのでしょう。

Mr.のもとになった maistreも同じ説明になります。

maistresse、 maistreは名前の前に付けられる形式的な語になると弱く発音されるようになったとされます。

その場合、  aiは iに変わったのです。

15世紀ごろの事でした。

そして、16世紀にはmistressミストレス、 misterミスターという発音が定着し、17世紀には mistressの tが落ちて、最終的にはミスイズと発音されるようになったと考えられています。

口語では早く発音する時、例えば、roast beef, half past fiveの roast, past のt はしばしば発音されません。

省略形Mrs.はこのようにmistressの tが落ちた形に基付いて作られたのです。

Mrs.は初めは一般に上流階級の女性に対する尊称として名前の前に付けられましたが、だんだん下層階級にも広がっていきました。

既婚女性を示すことが多かったのですが、17世紀から18世紀にかけて Missと同じく未婚女性を示すのにMrs.がつかわれることもありました。

Mrs. もMiss.もmistress の省略形ですが、一方は既婚女性、他方は未婚女性を指す区別が18世紀以降はっきりつけられるようになっていったのです。

海外、ヨーロッパに行くと女性はMadameと呼ばれることも多いです。

それがちゃんとした敬称です。

夫も少し気取ると若い女性をMademoiselle呼びかけたりしていました。

11世紀に英語の文化にフランス語が導入され、フランス語を喋ることは上流階級という

イメージができた・・・今もそんな考え方が彼らの文化の中に生きているのでしょうか。

トルコ語でもフランス語の言葉が沢山入っているようですが品のいい言葉を使いたいならフランス系の言葉・・・という具合に使い分けられているようです。

アメリカではフランス語を喋ることができたらインテリだと思われるなんて聞いたことがありますし。

そうそう韓国では漢字が書けるとインテリだと思われるとある教授が言っておりました。