屋根の上に瓶が3本
トルコに旅されたことがありますか?
ツアーグループに入って旅すると主な観光地だけ回り、その地の人々の生活などディテイルは目に入ることがないのかもしれません。
イスタンブールだけでなく、トルコの田舎をバスで回られた方は(私たちは20数年前、トルコの各地をバスで巡るツアーに参加しました)、これから私が書こうとしているものを目にされたことがあったかもしれません。
家の屋根の上に瓶が2本とか3本とか置いてあったりするのです。
コカ・コーラの瓶が、実際、立っているのを私たちは何回も見ました。
あれって簡単に落ちないように接着剤ででもつけて張り付けているのでしょうか。
そのツアーの前、40数年前にトルコの友人を訪ねて行ったときに屋根の上の瓶の習慣については教えてくれていましたが、ツアーで旅した時にもっと詳しくどういった習慣か知ることができました。
とりあえず質問です。
この瓶、どういうことかお分かりになりますか?
「我が家には結婚適齢期の息子がいます。今、お嫁さんを募集しています」というサインなのだそうです。
私の友人、および、そのツアーのガイドさんからはそんな説明がありました。
ただし、後に調べて見ましたら、屋根の上の瓶は結婚適齢期の娘がいますよ、というサインだともありました。
そして、その家の娘が気に入り、嫁に貰いたいと思った男性は申し込みに行き、その瓶を取り外して壊してもいい、とありました。
そして、娘がその結婚を承諾すると、以前、記事にてお話した「あまーいコーヒー、砂糖いっぱいのコーヒー」を供するのです。
ちょっとばかりの甘さだったら、「今考え中」、何も入っていない苦いコーヒーだったら「お断り」だそうです。
この習慣がいつごろから始まったか聞きそびれてしまいましたが、ガラスが、ガラス瓶がまだ高級品だったころの名残なのでしょうか。
「我が家にはこんな高級なものがあります…」というアピールだったのでしょうか。
『ブッシュマン』の映画の中で、ニカワさんが自分が拾った瓶が何物か分からず、様々な事件を経て「こんなもの神様にお返しします」と言いながら、大西洋に捨ててしまうといったエピソードが描かれていたのを思い出しました。
それが一体何か分からない人にとっては瓶もそんなものかもわかりませんね。
ガラス自体は紀元前にはもう人々の生活の中に存在した様ですが、瓶として使われるようになったのはそんな昔ではないのでしょうか。
我が家の娘も含めて近頃の若者はなかなか結婚する気にはならないようです。
屋根の上に瓶をおいてみましょうか?