コロッケ作り

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ノルウェーに住んでいた時、一度だけですが、お義母さんがコロッケを作るというので手伝ったことがありました。

私が長年、日本で親しんできたコロッケ、と思って随分時間がかかるわ、と思って臨んだのですが、オーブンの中に材料を入れただけで何も私は他にすることがありませんでした。

どういう事か分かります?

一番、最初に材料を手に取るところから大違いだったのです。

魚コロッケでした。

それでも、ここまで書くと、じゃあ、ジャガイモの中に魚が入っていたわけね、と思われる方も多いかもですが、それも違うのです。

材料を見た段階で、私はそれを揚げ物にするとしたら魚のフライができる、と思ってしまったわけです。

すぐにそれは揚げ物ではなかったことが判明しました。

お義母さんが揚げ物をしているのを見たのはドーナツつくりの時だけです。

さて、お義母さんの言うコロッケ作りです。

オーブントレイにバターを敷きその上に魚を並べ、その上に粉をふりかけ、仕上げはたっぷりのバターを塊のままあちこちに置きオーブンで焼く、という料理でした。

お義母さんはパン粉と言うものの存在を知らないのじゃないか、とその時私は思ってしまいました。

出来上がったのは粉が付いた分、かりっと仕上がったオーブン料理にしか見えなかったんだけどなあ。いう

それで、夫にノルウェーのコロッケについて聞いてみたというわけです。

私は日本のものと同じものが絶対にあると思っていたのです。

コロッケはあるにはあるけど日本のものと同じものはない、という返事が返ってきました。

魚コロッケと呼ばれるものは、私に言わせると、単に魚にパン粉を付けてあげた(?)もの。

確かに、そういう料理が出来上がるだろう冷凍品がコロッケという名前で売られています。

他の素材のものも何々コロッケという名前があったとしても、同様にパン粉を付けて揚げてあるのだということが判明しました。

ただし、先ほども書いたようにお義母さんの頭の中にあげ物、という調理法は存在しないようでした。

ずっと日本のコロッケのことしか頭にない私は日本にコロッケが初めてもたらされたときの話を思い出さなければなりませんでした。

結局のところ、日本のコロッケって、日本人向けに作り替えられてきたんですよね。

日本のコロッケが本来の姿、味と思い込んでしまっていた私は反省しました。

だいたいクロケットという料理名もクロケットが英語でコロッケがフランス語だと思い込んでいたのです・・・長いこと。

しかも、その2品が同じものとは思っていなかったんだから。

英語にはコロッケという言葉はありません。

コロッケという言葉はフランス語のcroquette 、あるいはオランダ語のkroketから日本語になったようです。

私自身は何回も日本のコロッケをノルウェーで作りました。

ただし、一番最初はとんでもないことになりました。

想像がつきますか?

スーパーにパン粉を買いに行ったのですが、なかなか見つからない・・・なんとか見つけて買って帰りました。

が、それはパン粉ではなかったのです。

40数年前のことです。

今ならノルウェーにもパン粉が売られているかもしれません。

そして、今なら私がその時間違えて買ったものは日本でも売られています。

しかし、当時の私はそれを初めて見、パン粉に違いないと思ったのです。

ココヤシの粉・・・お菓子用でした、しかし、見た目はパン粉と同じではないですか?

パン粉が売られていないと判明してから、それは日本から送ってもらうか、自分で固くなったパンをおろして使うようになりました。

日本のコロッケですが、あちらのみんなに好評でしたよ。

あのジャガイモ大好きの国でなんでジャガイモコロッケがないんだろう?

今もそう・・・結局、揚げ物料理をするという発想がないからでしょうか。